現地時間2018年11月8日– カリフォルニア州ナパヴァレー現地配信 (原文リリースはこちら)
今年の特徴は、夢のようなハングタイムと見事なフェノールの醸成です
多くの生産者が「途切れることなく長く続いた」と話す2018年のナパヴァレーの収穫期が豊作に恵まれて幕を閉じようとしています。最後の山場となるカベルネ・ソーヴィニヨンがヒルサイド(丘陵地)の畑から降ろされてセラーへと運びこまれます。生産者は疲れを滲ませながらも、ほぼ完ぺきな収穫物を前に心を弾ませています。
「2018年のナパヴァレーの生育期は理想的な環境に恵まれた」と語るのは、ダイアー・ヴィンヤードの共同ワイン生産者であり、ナパヴァレー全域でワイン生産のコンサルティングを行うダウニーン・ダイアー氏です。「気候に関しては暑すぎず寒すぎず、糖度に関しては高すぎず低すぎず、色、タンニン、品質については抜群の出来です!」「おかげでワイン生産者は夜ぐっすり眠れています」とダイアー氏は言葉を続けました。
ナパヴァレー・ヴィントナーズ生産者団体はナパヴァレー各地の複数のワイン生産者から聞き取りを行い、018年のぶどうの生育についての見解を集めました。貯蔵庫のぶどうが着々とワインに仕上がっていくなか、話は収穫に関する事やどのワインが発酵過程にあるかについてもおよびました。
2018年のナパヴァレーの生育期について
2月にたっぷりと雨が降り注いだ後、春から初夏にかけてはやわらかな日差しがふんだんに射し込みました。芽吹きと開花は例年より遅めでしたが、理想的な天候条件に恵まれたことで多くの実が均一に実りました。夏の間、日中は陽の光がさんさんと降り注ぎ、夕方から夜にかけては海からの涼しい風が畑に流れ込みました。これはナパヴァレーの特徴的な現象です。この夏は猛暑に見舞われることもありませんでした。
ぶどう畑全体の状態が一様に保たれたことで、ぶどう栽培農家は樹冠管理を含む収穫までの作業を粛々と進めることができました。
見事な実がついた上に一つ一つの房の実も大ぶりだったので、思ったよりも多く間引きをし、確実に実が熟すようにしなければならなかった。10月初め短期間にまとまった雨が降った後に暖かい風が入ってきたのが実の成熟にとても良かった。ゆっくりと熟すと良い実がなる。まさに栽培農家にとって願いどおりで教科書通りの状況だった!
ジェイム・ダウエル、ワイン生産者、ラウンド・ポンド・エステート
2018年のナパヴァレーの収穫について
比較的穏やかな夏の後、晴れて暖かい秋の日が続きました。果実はほぼ理想的な条件のもと、ゆっくりと糖度を増しながら複雑な風味が醸成されました。柔らかなタンニンときりっとした酸味が時間をかけて育まれ、ワイン生産者は完璧なタイミングを見計らって着実に収穫作業を行うことができました。その結果、品質、量、成熟度において優れた果実が収穫できました。
ワイン生産者によると、今年の収穫量は例年に比べて20~30%多いとのことです。
秋は素晴らしい天候に恵まれた。魔法のような雨が一降りした後には、柔らかな日差しが3週間降り注いだ。おかげで実の糖度がゆっくりと上がり、フレッシュな酸味が育まれた。小春日和がほぼ5週間にわたって続き、うっすらと雲がかかる青空の下でぶどうが光合成をする極上のハングタイム(房が樹にぶらさがっている時間)が流れた。
ピーター・ハイツ、ワイン生産者、ターンブル・ワインセラーズ
セラーで今起きていること
昼夜を問わず休日返上で収穫が続けられてきたナパヴァレーの作業はセラーに移行しつつあります。貯蔵庫ではぶどうの発酵、汲み上げ、樽詰めがおこなわれています。
ぶどうが圧搾機にかけられる瞬間から、生産者はいくつもの込み入った決断とタイミングを計る必要に迫られます。果実は丸ごと圧搾するのか、房ごと圧搾するのか?除梗はするかしないか?
発酵にはどの種類の容器を用いるか?温度は?蓋は開けておくのか閉じておくのか?イースト菌を使うのか天然酵母を使うのか?浸漬は長期にするか短期にするか?
気温が下がり雨が降り始めたら、樽熟成について決断する必要があります。樽の種類は?オーク材の比率は(またはオーク材は使わないのか)?風味の育成にかける期間は?
今年の秋はリズムを刻むように粛々と収穫作業に取り組むことができたので、生産者はワイン造りの各工程にもじっくりと手間をかけることができました。今年のワインにはナパヴァレーの地理的特徴とワイン生産者の巧がその味にしっかりと反映されることでしょう。
今年のナパヴァレーは間違いなくワイン生産者のための年だ。母なる自然が味方についてくれて見事な実が実り、収穫、発酵、汲み出し、樽詰めについても完璧なタイミングでおこなうことができた。最高のワインを造るには時間と根気が必要だが、今年は必要なだけの時間をたっぷりとかけられた。できあがったワインを瓶に詰めるのが待ち遠しい。
デイビッド・テイト、バーネット・ヴィンヤーズとテイト・ワインズのワイン生産者
ナパヴァレーでは2018年に収穫されたぶどうが続々とセラーに運び込まれています。最新の状況や収穫のコツについてはharvestnapa.comでご覧いただけます。
生育期、収穫、発酵、樽熟成についての説明はこちらをご覧ください。
ナパヴァレー・ヴィントナーズについて
550ものワイナリーが加盟する非営利生産者団体ナパヴァレー・ヴィントナーズは、1944年に設立されて以来、一貫して最高品質のワインを造ろうと努力してきました。自身の故郷であるナパヴァレーの特別な大地を大切にし、環境活動にも積極に取り組み活動しています。詳しくはwww.napawine.jp(日本語)またはwww.napavintners.com(英語)をご覧ください。
このニュース・リリースに関するお問い合わせ先
ナパヴァレー・ヴィントナーズ 日本事務所 窓口:若下静 Japan@napavintners.com