地理

どのワインをとっても特徴的なのは、個性豊かなナパヴァレーの特性を反映しているからです

 

縦に約50キロ、幅は最も広い場所でも8キロしかないナパヴァレーでは、ぶどう畑によって土壌も気候条件も異なります。こうした個性的なぶどう畑が複雑なつづれ織りのように寄り集まり、個性豊かなワイン産地を形成しています。

 

偉大な力

カリフォルニアの他の地域と同様に、ナパヴァレーでも非常に活発な地質活動が起こり、1億5千万年の間に少しずつ移動を続けてきた構造プレートと、活発な火山活動が今日のナパヴァレーの地形を形成しました。ナパヴァレーは、涼しい太平洋と暑いセントラルヴァレーに狭まれた地理的にも独特な場所に位置し、小さな地域でありながらも隣接する畑で気候条件が異なります。このような環境は、多様な品種のワイン用ぶどうを栽培するのに非常に適しており、その質は世界的にも高く評価されています。

 

山の影響

ナパヴァレーにある二つの山脈は、サンアンドレアス断層が形成された時にできたものです。谷の東側に沿って走るヴァカ山脈が、セントラルヴァレーから吹きつける焼けつくような熱風からナパヴァレーを守り、西側にそびえるマヤカマス山脈が、隣接するソノマ郡で見られるような涼しい海風の影響を遮っています。谷床平地(ヴァレーフロア)の小高い丘や小山は、大昔に起きたヴァカ山脈の大規模な地滑りによって形成されたもので、地域の気候条件に影響を与えています。

 

蛇行する川

谷を2つに隔てるように流れているのがナパ川で、先に行くほど細長くなっている地形に沿って流れています。水源ではちょっとした小川のようなこの川も、南端では船が通れるほど大きな川になります。谷の地形も流れに沿って姿を変え、河口に位置する南側では強い風が吹き付ける平地となだらかな丘陵が広がっていますが、谷の先端に位置するカリストガの町では、東側にはセントヘレナ山麓にあるパリセード山地の壁がそそり立ち、西側にはマヤカマス山脈の森林が広がっています。